2015年2月26日木曜日

狸はキューッと鳴く

ライブハウスへ出掛けて

精一杯楽しんだ後

ゆっくりと家路に着く。

家までのおよそ1時間
色々な事を反芻して考えて

そしてどうしようもない不安と寂しさが襲ってくる

現実世界に引き戻される瞬間だ。



毎日できる限りの事をしているつもりでも

どこか逃げていて

どこか守りに入っている

自分の想像通り全力で生きているという実感は全く無く


「いつか」
という言葉を盾にする事も厳しい年齢になってきた。


日々色々な覚悟をしていかなければいけない。
この数年はある種の分かれ目なんだと思う。


全てをカメラに注ぎ込めない僕が
この先一体何を成すことができてどう生きるのか
自分自身が一番ハッキリと見ていなければいけない。



どうにもできないモヤモヤを抱えて家に着いた。

玄関の扉に鍵を差し込み一瞬止まる。

「嗚呼、今日が終わる」




そう思った瞬間、背中越しにキューッという鳴き声。

振り向くとよく太った一匹の狸、目が合う。
まっすぐに僕を見て彼はもう一度キューッと鳴きその場を去った。



僕は鍵を開け家に入る。

明日も頑張ろう。

2015年2月16日月曜日

空は青くて遠かった

きっと今日を忘れないと思う。


昨年末から今年に入って
知ってる方、や憧れていた方がたくさん亡くなった。

僕の中に
色んな人の死が積み重なって

なんだかどんよりと重たくなってきた時
シーナ&ザ・ロケッツのシーナさんが亡くなった。
それが一昨日。

一度もライブを観た事なかったけど大好きだった。
いつか観れるだろうと鷹を括っていた僕はただの大馬鹿者だ。



昨日はTheキャンプのワンマンでなんだか緊張と心の重さとを引きずってライブハウスへ行った。
ライブが終わって、どっしりとした疲れに纏わりつかれていた時
フロアではシナロケが掛かっていた。

緩んだ涙腺をこっそり抑えて
昨日を駆け抜けた。


そして今日、

SEBASTIAN Xの最後の音源のサンプルが送られてきた。

はやく聴きたかったけど
聴きたくなかった音源が

思いがけず届き少しの動揺があって
静かな所で一人で聴きたくて、仕事の昼休みに車を出した。

本屋の駐車場でゆっくりとCDを再生した。


一曲目が終わる前には
僕は完全に負けてしまっていて
涙が止まらなくなった。

声を出して泣いた。



僕は一生今日を忘れないと思う。