2015年2月26日木曜日

狸はキューッと鳴く

ライブハウスへ出掛けて

精一杯楽しんだ後

ゆっくりと家路に着く。

家までのおよそ1時間
色々な事を反芻して考えて

そしてどうしようもない不安と寂しさが襲ってくる

現実世界に引き戻される瞬間だ。



毎日できる限りの事をしているつもりでも

どこか逃げていて

どこか守りに入っている

自分の想像通り全力で生きているという実感は全く無く


「いつか」
という言葉を盾にする事も厳しい年齢になってきた。


日々色々な覚悟をしていかなければいけない。
この数年はある種の分かれ目なんだと思う。


全てをカメラに注ぎ込めない僕が
この先一体何を成すことができてどう生きるのか
自分自身が一番ハッキリと見ていなければいけない。



どうにもできないモヤモヤを抱えて家に着いた。

玄関の扉に鍵を差し込み一瞬止まる。

「嗚呼、今日が終わる」




そう思った瞬間、背中越しにキューッという鳴き声。

振り向くとよく太った一匹の狸、目が合う。
まっすぐに僕を見て彼はもう一度キューッと鳴きその場を去った。



僕は鍵を開け家に入る。

明日も頑張ろう。

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